クレ活管理人は、クレジットカードの雑誌を欠かさず4年買い続けています。
まあ正直なところ中身としては毎回似たような感じです。
場合によっては使い回し記事を見つけることもあります(笑)。
参考:「2年以上クレジットカード雑誌を読んだクレ活管理人が言えるクレカ雑誌の活用方法!」
しかし最近7月7日発売の「クレジットカード驚愕のメカニズム」という雑誌に、
気になる記事があったのでピックアップしたいと思います。
その記事では、クレジットカードが好調ということで、
順調に成長しているという内容でした。
クレジットカードが成長すれば、便利な世の中になるので喜ばしいですね。
雑誌では2年分しかデータが載っていなかったので
いったいどれくらい好調なのかイマイチ想像がつきませんでした。
クレ活管理人なりに調べられるだけ調べてみたところ、
22年分のデータを集めることができました。
そこで今回は、
22年分のクレジットカード取扱高の推移を検証してみたいと思います。
クレジットカード取扱高(1994~2016年)の推移
データ元は、経済産業省が実施している「特定サービス産業動態調査」です。
これは、色々なサービス業の売上高などを公表している調査です。
その中にクレジットカード業もあり、クレジットカードの取扱高がありました。
そのデータが22年分あったので、それをエクセルでグラフ化してみたのが、
上のグラフになります。
ショッピングとキャッシングの積み上げ棒グラフになっています。
ひと目で右肩上がりで成長しているのはわかりますが、
特に2012年から著しく成長しているのもわかると思います。
昔は毎年1~2兆くらいの成長でしたが、
2012年からは3~4兆のペースで成長しています。
それとショッピング(青)は順調に成長していますが、
キャッシング(赤)は途中から減少気味です。
なぜこのような状態になっているのか分析してみます。
なぜ直近で成長速度が上がったのか?
その大きな要因は、「電子マネー」だと考えられます。
以下の電子マネーの決済金額と決済件数の推移グラフを見てください。

2014年までしか載っていませんが、
電子マネーは約7500億円から4兆円に成長しています。
グラフには載っていませんが、
直近では5兆円を突破しており、iPhoneのApple Payがさらに後押ししているようです。
電子マネーへのチャージは現金でもできますが、
クレジットカードでチャージする人も多いと思います。
そのため、電子マネーの普及はクレジットカードの利用金額アップに繋がります。
あとは、スマートフォンの普及もその要因と考えられます。
以下は、情報通信端末の世帯保有率グラフです。

2007年に初期のiPhoneが発売され、2010年からどんどん普及しているのがわかります。
(グラフの緑です)
スマートフォンは最初のころは、アプリを購入するにはクレジットカードが必要でした。
2012年から出てきた格安SIMは、クレジットカード払いが基本です。
直近で言えば、Apple PayやAndroid Payなどの何とかペイ系もあります。
このような電子マネーやスマートフォンの普及によって、
さらにクレジットカードの取扱高が上がっていったのだと思われます。
業種別のクレジットカード取扱高の推移
業種別のクレジットカード取扱高データもあったので、
これも1994年から2016年までのデータをグラフ化してみました。

最も伸びているのが「その他」で、
おそらくこの中にインターネット関連が入っていると思われます。
続いて、「百貨店、総合スーパー」「その他の小売店」が伸びています。
これらは、2007年~2008年に大きな動きがありました。
リーマンショック関連が影響していると思われます。
あとは、「飲食店」「旅館、ホテル」「病院、診療所」、「国外」は、
少ないながらも年々伸び続けています。
「飲食店」のクレジットカード利用が少ないのは意外に感じましたが、
飲食は意外とクレジットカード対応していないお店もあるので、
(最近ようやくマクドナルドやモスバーガーが対応しました)
そういった影響があるのかもしれません。
調べたら外食産業の市場規模は20兆円は超えているので、
クレジットカード取扱高が1.3兆円というのはやはり少ないです。
業種別に見ても、伸びている要因はちょっとわかりませんでした。
「その他」の内訳がわかれば良いのですが、
どの産業も順調に右肩上がりになっています。
キャッシングの取扱高の推移
クレジットカードのキャッシング取扱高についても見ていきます。
1994年~2016年のグラフです。

2006年から下がり始め、2010年あたりにガクッと下がっています。
これは、おそらく総量規制が影響しています。
(総量規制とは、年収の3分の1を超える借入はできない、というものです。)
総量規制が開始されたのは2006年12月ですが、
一気に始まったのではなく、段階的に実行されていきました。
そして、2010年6月にようやくすべての総量規制が実行されました。
2006年から段階的にキャッシング取扱高が減っているのは、
まさに総量規制が影響しているのだと思われます。
2010年以降の取扱高はほとんど変わっていないので、
年収制限によって増えていないということなのだと思います。
ただ、キャッシングが減ったからと言って、
クレジットカード残高全体が減っているとも言えません。
クレジットカードにはリボ払いや分割払いがあるので、
キャッシングできなくなった人はこちらに移行していると考えられます。
まとめ
- クレジットカード取扱高は右肩上がりで好調
- 特に直近の伸びが良く、おそらく電子マネーの影響だと考えられる
- 今後はスマートフォンのPay系アプリもあり、より伸びると考えられる
- 業種別に見ても、どの産業も伸びている
- キャッシングは総量規制後は一定になっている
今回はクレジットカード取扱高の推移を調査してみました。
順調に右肩上がりに伸びていっており、
特に直近では伸びが良いというのがわかりました。
今後は電子マネーだけでなく、スマホアプリ、フィンテックなど、
伸びる要素がまだまだあるので、
今後のクレジットカード業界の伸びに期待したいと思います。
そして、伸びて好調となってからは、
もっと還元率の高いカードやサービスの良いカードが登場することを期待したいですね。
クレ活管理人でした。